日本人のための日本語文法入門

日本人のための日本語文法入門 (講談社現代新書)

日本人のための日本語文法入門 (講談社現代新書)

学校文法とは違う、言語学に基づいた日本語文法の本で、とても
読みやすくわかり易かった。


著者は日本語教師でもあったので、外国人の日本語学習のために、
どうすれば日本語の文法を理解させるか心を砕いたという。
それが本書を書いた動機でもあるだろう。
中学生に英語を教える先生にもお薦めの一冊だ。


本書の71p に、英語の地名は人名が多く、日本語やネイティブ・
アメリカンの地名は場所や自然由来の名前が多い、とある。


そういえば軍艦や空港の名前もそういう法則がある。
欧米は人名をつける場合が多いが、日本は山や河の名前が多い。
会社の名前もそうではないだろうか。


最近は高知県高知龍馬空港のように、人名の空港もできたが、
個人的にはあまりしっくりと来ない。


著者は、英語は人間中心主義で日本語は自然中心主義だと書いて
あり、私も半ば同意するのだが、「サピア・ウォーフの仮説」が
正しいのかどうかは分からない。


言語学会では、この仮説はどういう扱いになっているのだろうか。