
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/07/17
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (34件) を見る
したことを事後的に知ること、だそうだ。
事後的ということは、修業している間はさっぱり分からないので、一見
無関係に思えることも黙って従わねばならない。
こういう理不尽な徒弟制度は、現在では否定的に語られるが、内田樹は
そうではないと言う。
私は修業などしたこともないし、ましてや武道家でもないので、その
あたりはよく分からない。
内心は、体育会系の奴隷のような関係は大嫌いなので、日本の徒弟制度
はそういうものではないかと疑ってもいるが、本当の修業というのは
どうやら違うようだ。
↓
私がこの本を読んで思い浮かんだのは、映画「ベストキッド」である。
![ベスト・キッド コレクターズ・エディション [DVD] ベスト・キッド コレクターズ・エディション [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51ajVZQfFPL._SL160_.jpg)
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2010/07/28
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
が、空手を習うと思っていたら、クルマの掃除や窓ふきやペンキ塗りを
させられ、なんでこんなことをしなければならないのか、と怒る。
しかし、実はそれらの動作が空手の型とつながっており、主人公は
実際に強くなることができた。
この映画の修業のイメージは短絡的かもしれないが、米国人にとっては
非常に東洋的なものに映ったかもしれない。
おそらく西洋には、武術的な修業というのはあまりポピュラーではない
のではないか。
すぐに使えるノウハウを教えるインストラクターはたくさんいるが、
修業をさせるマスターはいないのかもしれない。
↓
本書で唯一気になったのは、空中浮揚に言及している部分である。
私は頭から否定はしないけれど、オウム真理教について一言あっても
よかったのではないかと思う。
麻原彰晃の空中浮揚はインチキだが、成瀬雅春の空中浮揚はインチキでは
ない、という証明をすべきではないだろうか。