Boaz2014-07-05

先進国で反政府運動がほとんど起こらないのは何故だろう? 
おそらく、普通の人々の暮らしがそこそこ安定しており、安定して
いれば政治活動にはあまり熱心にならず、自分の生活を充実させる
方にエネルギーを向けるからだと考えられる。


途上国では、しょっちゅう反政府運動が起こっている。
民族的な対立が原因の場合もあるし、貧困が問題の場合もある。
いずれにせよ、国民が分裂している。


さらに、欧州では移民排斥などを主張する極右政党が支持を
集めている。
極右政党を支えているのは、移民に仕事を奪われる危機感を持って
いる人たちだろうから、少なくともエリート層ではない。
この場合も、国民が分裂していると考えられる。



では、国内に貧困問題もあるし、移民も多いのに反政府運動
ほとんど発生していない国はどこか? 米国である。
ついでに言えば、人種差別もある。


そういえば、人種差別が発端になったロサンゼルスの暴動があったが、
あれは反政府運動には発展しなかった。
どうやって丸め込んだのだろう。


ともかく、実は国内に問題を抱えている米国だが、そのエネルギーを
外国との戦争や紛争で発散させている。
それと、各州の自治の権限を認めることで、人々の不満が連邦政府
全体に向けられないようにしているから、とも考えられる。


なにより、国民が分裂しないように、ハリウッド映画などを通じて
繰り返し教育しているのが大きいと思う。



その点、中国は民族問題や貧困問題を、反日運動や人民解放軍
膨張でごまかそうとしている。
中国共産党は、人民解放軍をちゃんとコントロールできているのか、
かなり心配なところである。


米国が中国の分裂を画策するなら、チベットウイグルに武器を回す
はずだが、どうしているのだろう。
ロシアやインドも、何もしていないはずはないが、中国と暗闘を繰り
広げているのか。なんだかゴルゴ13みたいな話になってきた。



日本は、新左翼オウム真理教による反政府活動が行われた。
これらはかなり特殊なケースだと思う。


本気で政府を転覆させようと思ったら、軍の協力と民衆の支持が必要
だが、現在の日本でその2つを得られるような反政府運動はできない
だろう。


我々の武器は投票用紙だけに限るのが最も平和的だと思う。
もっとも、その大切な武器を半分の人は使わないのだけれど。