先進国で反政府運動がほとんど起こらないのは何故だろう?
おそらく、普通の人々の暮らしがそこそこ安定しており、安定して
いれば政治活動にはあまり熱心にならず、自分の生活を充実させる
方にエネルギーを向けるからだと考えられる。
途上国では、しょっちゅう反政府運動が起こっている。
民族的な対立が原因の場合もあるし、貧困が問題の場合もある。
いずれにせよ、国民が分裂している。
さらに、欧州では移民排斥などを主張する極右政党が支持を
集めている。
極右政党を支えているのは、移民に仕事を奪われる危機感を持って
いる人たちだろうから、少なくともエリート層ではない。
この場合も、国民が分裂していると考えられる。
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では、国内に貧困問題もあるし、移民も多いのに反政府運動が
ほとんど発生していない国はどこか? 米国である。
ついでに言えば、人種差別もある。
そういえば、人種差別が発端になったロサンゼルスの暴動があったが、
あれは反政府運動には発展しなかった。
どうやって丸め込んだのだろう。
ともかく、実は国内に問題を抱えている米国だが、そのエネルギーを
外国との戦争や紛争で発散させている。
それと、各州の自治の権限を認めることで、人々の不満が連邦政府
全体に向けられないようにしているから、とも考えられる。
なにより、国民が分裂しないように、ハリウッド映画などを通じて
繰り返し教育しているのが大きいと思う。
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その点、中国は民族問題や貧困問題を、反日運動や人民解放軍の
膨張でごまかそうとしている。
中国共産党は、人民解放軍をちゃんとコントロールできているのか、
かなり心配なところである。
米国が中国の分裂を画策するなら、チベットやウイグルに武器を回す
はずだが、どうしているのだろう。
ロシアやインドも、何もしていないはずはないが、中国と暗闘を繰り
広げているのか。なんだかゴルゴ13みたいな話になってきた。
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日本は、新左翼やオウム真理教による反政府活動が行われた。
これらはかなり特殊なケースだと思う。
本気で政府を転覆させようと思ったら、軍の協力と民衆の支持が必要
だが、現在の日本でその2つを得られるような反政府運動はできない
だろう。
我々の武器は投票用紙だけに限るのが最も平和的だと思う。
もっとも、その大切な武器を半分の人は使わないのだけれど。