BSプレミアムで放送した「小津安二郎・没後50年 隠された視線」は
見応えがあってよかった。
小津安二郎の映画は晩年の有名なものしか見ていないが、それだけでも
偉大さが分かる。
どういうわけか、どの作品も(特にカラー作品)やたらと食べ物が旨そう
に見えるのが不思議だ。
私が一番好きなのは、唯一大映で撮った「浮草」という作品だ。
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いつもの小津映画とはちょっと違うテイストなので、偏見がある人も
見たら楽しめるのではないだろうか。
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番組の中で吉田喜重が、小津安二郎の映画では、建物の全景とか遺影の
アップなどが敢えて排除されている。それは観客の想像力に任せている
からだ、と語っていた。
引き算の映画だから、現在でも様々なことが語られ、研究されているの
かもしれない。こういう映像作家は珍しいのではないか。
たぶん20代では理解できない作品が多いので、年をとってから見るべき
だろう。
↓
絵コンテもきちんと描いてあることを、この番組で初めて知った。
ということは、映画はすでに頭のなかでほぼ完成しており、あとは俳優が
きちんとそれに当てはまるように演技をして、セットや照明が整えばいい
ということである。
いまの邦画の監督で、きっちり絵コンテを描いてから撮影に入る人は
どのくらいいるのだろうか?