小鳥遊六花・改 〜劇場版 中二病でも恋がしたい!〜

二ヶ月遅れで四国でもようやく上映されたので行ってきた。
4日目のレイトショーで客は7人。平日とはいえ、これでは来週にも
打ち切りになるのではないか。
フィルムを貰えるとは知らなかったのでラッキーだった。
(中味はくみん先輩と凸守)


最初と最後が新作映像で、これはよかった。
二期が非常に楽しみである。


が、肝心の総集編は編集が荒くて、一見さんには厳しいだろう。
映画というよりは特典映像レベルの作品だった。
同じ総集編でも「あの花」はしっかり感動できたというのに。


その理由としては、「あの花」はめんまの消滅という軸がしっかり
していたので、編集してもブレがなかったが、「中二病」の方は
中盤までの日常路線と、後半の父親の死を受け容れる話がスムーズに
つながっておらず、まとめるのに苦労したからだろう。


が、放映中に「鬱展開」と一部で叩かれた内容も、総集編でアクを
抜いてみるとそれなりに見られるようにはなっており、個人的には
ナレーションを消したのがよかったのではないかと思っている。



京アニは今後どうなるのか、ファンとしてはちょっと心配である。
氷菓」のような文芸路線をやってほしいのだが、なかなかアニメに
できる原作がないのかもしれない。


現在放送している「境界の彼方」は、第6話の臭い汁を出す妖夢の話が
面白かったのだけれど、それは京アニが「この程度の萌えならいつでも
作れますよ」ということを実証しただけであって、再びシリアス路線に
戻りそうである。


萌えアニメばかりやっていたらジリ貧になるのは分かっている。
だから試行錯誤をするのも正しいことだと思う。


が、敢えて言わせてもらえれば、「氷菓」とそれ以降の作品との
決定的な違いは、原作の力量である。
やはり米田穂信と他のラノベ作家とでは比べ物にならない。


どうしても自社ブランドの文庫でアニメ化したいのなら、まず原作の
小説のレベルを上げることから始める必要があるだろう。
京アニだけではなく、アニメ業界全体で取り組むべきことなのかも
しれない。