*[映画]青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない

大都市では6月15日公開だが、松山では8月3日公開だった。
日曜日のレイトショーで観客は10人前後。松山のアニメオタクは少ない。
しかし、このクオリティならば最初から劇場数を増やしてもよかったと思う。
見て損はない名作だった。


奇しくも「天気の子」と同様に、誰かを犠牲にして誰かを救うかどうか、と
いう話型になっていて、主人公の葛藤は狂おしいほどである。
ご都合主義でもなく、ちゃんとハッピーエンドにもっていく技術は見事だった。
「君の膵臓を食べたい」より説得力があった。



公開日の6月15日から8月4日のあいだに、京アニ放火事件があった。
7月18日以前にこの作品を見た人と、その後で見た人では受け止め方が
違ってしまうのではないか、と思う。


おそらく私が公開初日に見ることができたら、命の選択をするストーリーに
今ほど共感できなかっただろう。
心臓病の少女の「なぜ私が死ななければならないのか」という問いかけに、
それほど深い意味を感じることはなかったかもしれない。


だが、あの事件以降は、もうそれまでと同じような気持ちでアニメを見る
ことができなくなってしまった。
そういう影響を与える事件だったと私は感じる。



なので、「京アニの夢を見る」人は、是非この映画を見ていただきたい。