Boaz2013-07-25

今日の「アメトーーク!」は福本伸行のマンガが好きな芸人の回だった。
私は「カイジ」をななめ読みしたぐらいで、単行本も持っていないけれど、
福本伸行のマンガ力が傑出していることは分かる。


一見、かなり下手に見える絵なので、読者は戸惑うかもしれない。
しかし、物語に引き込まれると、どんどん先を読みたくなる。正確なデッ
サンなどどうでもよくなるのである。



ただ、私はギャンブルに興味がない。
あれは人間を狂わせるものだからである。


というのも、ギャンブルの本質は酩酊感だからだ。
偶然に自分の運命を委ねるドキドキ感とでも言おうか、ほとんど自殺行為
にも等しいと思っている。


なので、最初は金儲けのつもりで始めても、だんだん深みにはまっていく。
無意識にせよ、最終的には自分の命を賭けたくなるからだ。
おそらくそんな極限状態を脳が記憶していて、やめようと思ってもやめら
れないのだろう。



ギャンブラーにとって、ゲームはどんなものでもいい。
例えば交差点に立っていて、次に来る赤いクルマのナンバーが偶数か奇数か
を当てるゲームをする。


この掛け金が100円だったら、気軽にできるだろう。
では、外れたら死ぬ、となったらどうか。
偶数か奇数かを当てられなければ死ぬのである。


ギャンブラーは、このときの酩酊感を求めている。
だから、ロシアンルーレットは非常によくできた賭け事なのである。



その話をカジノまで広げると、カジノ推進論者たちがいかに狂っているかが
分かる。
彼らは、大人のスマートな社交場をイメージしているかもしれないが、そん
なものは幻想である。
必ずヤクザと麻薬と売春婦がセットになって付いてくる。


いまでもそれらをコントロールできていないのに、カジノを作ってもっと
肥え太らせようとしているのは何故なのか? 
ヒントを出さなくても分かる話である。



ところで、「カイジ」には、借金を背負った人たちが必死になっている様を
見物して楽しむ金持ちが出てくる。


彼らはそういうアトラクションを見ないと退屈してしまうらしい。
もっと有意義な趣味でも持てばいいのに、あまり金の使い方を知らない
成金のようだ。


福本伸行は、貧乏人も金持ちも、ギャンブルに婬している人間は同じ
ではないか、というメッセージを伝えているように思える。