Boaz2011-06-25

ピーター・フォークが亡くなってしまった。
私を含め、多くの人がピーター・フォーク刑事コロンボだろう。
ドイツ映画「ベルリン 天使の詩」に出演したときも、ドイツ人の
子供に「コロンボだ、コロンボだ」と言われていた。


刑事コロンボは私にとって画期的なドラマだった。
倒叙形式で犯人が最初に分かる、というパターンも初めてだったし、
ヘンリー・マンシーニ作曲のテーマ曲も素敵だった。
シンセサイザーという楽器を知らず、口笛かと思っていた)


吹き替えの小池朝雄の声が抜群にフィットしていたので、後にピー
ター・フォーク本人の声を聞いたとき、あまりのダミ声のびっくり
したのを憶えている。


オッサンになってから、刑事コロンボというドラマの背景を知ると、
米国社会の階層がよく描かれていたのだな、と感心した。


コロンボというのは、コロンブスをイタリア系の姓で表記したもので、
米国を発見した(と思い込んだ)偉人の名前である。
それを主人公につけているということは、米国人にとってなじみ深い
印象を与えるだろう。


さらにイタリア系で殺人課の刑事が、セレブの犯罪を次々に明かして
いくパターンも、米国の庶民の共感を生んだに違いない。


英語版では、最初は下手に出て、犯人に“sir”と敬語を使っているが、
追い詰めると“you”になっている。
この微妙な言葉の変化が、鼻もちならない金持ちに対して効いてくるの
だ。


この倒叙形式は「古畑任三郎」でも使われて大ヒットしたけれど、アニ
メで使われたことはあるのだろうか? 
そういや、アニメで刑事ものってあんまりないような気がする。