陰謀史観

今日の読売新聞に「地球を読む」という論説文が載っていた。
書いた人はJR東海会長の葛西敬之で、TPP大賛成、日米同盟万歳と
いう内容であった。


それはそれでいいのだが、日本が太平洋戦争に突入した裏にはソ連
が暗躍しており、それは戦後の日米安保闘争にも及んでいた、とか、
現在TPPに反対しているのは、裏で中国が動いているからだ、などと
書いてある。


ならば、戦後GHQが暗躍していたこともご存知だろうし、そもそもこ
のような陰謀史観をあからさまに開陳するのは社会的地位の高い人
としていかがなものか。


私は、この程度の人間がJR東海を牛耳っているのか、と失望した。
東海道新幹線で大儲けしているのを乗客に還元せず、必要かどうか
も分からないリニアモーターカーに大金を投ずる経営判断もするだ
ろうな、と思った。


そもそも国鉄は、日本全体をカバーしていたのだから、儲かる路線
の収益を赤字の路線にまわして調整していたはずだ。


分割民営化は、労働組合というガン細胞を取り除くために有効だっ
たことは認めよう。
しかし、それぞれの地域が独立採算制になるのは無理がある。


JR東海のように、おいしいところだけを独占すれば、それは黒字に
だってなるだろう。
一方で、JR四国JR北海道はフラフラである。
人口の少ない地域で鉄道というインフラを支えるのは難しいのだ。


新自由主義者の「選択と集中」という言葉の裏には、こういう事実
が隠されている。