Boaz2013-01-28

今さらだが、今年のセンター試験の現代文の問題を解いてみた。
大問1は42点、大問2は18点だった。
たった3ヶ月だけだが、予備校で現代文を教えていたにしては
低い点数だ。情けない。


論説文の小林秀雄のやつは、解き方を知っていればほぼ分かる
問題だったのに対し、牧野信一の小説の方は難しかった。
ていうか牧野信一って誰だよ。


いま設問を見返しているが、悪意すら感じる。
誰が作った問題なのかは知らないが、2013年の小説の問題は
悪問として語り継がれることだろう。


なんというか、国語の試験に小説を読解する問題は必要なのか、
という疑問さえ生みかねないものだと思う。



大学生になるには、文学にも触れておかねばならないとは思う
のだが、道徳から逸脱した内容の作品ははじかれる傾向にある。
それでは文学がつまらないと思われてもしかたがない。


夏目漱石の「こころ」はたいていの教科書に載っているのに、
谷崎潤一郎の作品はほとんど掲載されないのは、そういう基準
があるからだろう。もったいないことだ。



私がセンター試験の過去問を解いていて、小説の続きを読みたく
なったのは堀江敏幸の「送り火」だった。異様にうまいと思った。

雪沼とその周辺 (新潮文庫)

雪沼とその周辺 (新潮文庫)

この「雪沼とその周辺」のなかのひとつだが、センター試験の問題は
いいところで切ってある。
受験が終わったら読んでみたらどうだろうか。