Boaz2013-01-29

ドラマ「泣くな、はらちゃん」は、自分が描いたマンガからキャラクターが
現実化して出てくる話である。


この設定はラノベ少年マンガでよくあるものだと思う。
たぶん、新人賞に応募された作品で、編集者は嫌というほど読まされている
のではなかろうか。


この場合、主人公はモテない少年で、その少年が描いた美少女が飛び出して
きて、主人公を好きになる、というパターンであろう。
いかにも陳腐なストーリーである。


泣くな、はらちゃん」は、その話型の男女が逆転している。
それだけでなんだか新鮮に見えてしまう。
それから、舞台を寂れた港町にしてリアリティを出している。
このあたりは、いかにもテレビドラマを作り慣れた人が考えたな、という
気がする。


ラノベ少年マンガの場合、理想の美少女が現実に現れることで、最終的
にはモテない少年の性欲が満たされると話は終わる。
(実際はそれをなるべく引き伸ばすことで面白くするわけだが)


では、「泣くな、はらちゃん」の場合はどうか。
主人公の幸薄そうな女性が求めているのは、セックスではなく他者からの
承認である(多少は性欲も含まれているかもしれないが)。


同じパターンの話でも、やり方によっては面白いものができそうな例だと
思う。



何年か前のハリウッド映画で、おとぎ話の主人公が現実のニューヨークに
現れて騒動を起こす、という話があったが、あの映画のタイトルは何だっ
たっけ?