はやぶさ/HAYABUSA

20世紀フォックス版の「はやぶさ」の映画である。
松竹や東映も作るらしいので、全部見比べてみようと思う。


映画の出来は、まあ65点ぐらいだろうか。
難しい部分を分かりやすく説明しようとする意欲は買うのだが、
それが映画の面白さにつながっているかといえば、そうでもない。


細かいところを言うと、竹内結子が演じるキャラクターは理系の
女性なのだが、オタクと混同していて違和感がある。
また、郄嶋政宏が現場を去るとき、なんで竹内結子が泣いたのか
がよく分からなかった。どういう関係だったのか? 


それから、はやぶさの動向をチェックする一般市民が何パターン
か出てくるが、生瀬勝久だけでよかったのではないか。
特に、蛭子能収は必要なかったと思う。


この映画の根幹は、予測不能な事態に陥ったプロジェクトに立ち
向かい、奇跡を成し遂げるオッサン(と女性)の話である。


そうすると、どうしても「アポロ13」と比較してしまう。
JAXANASAの違いと言ってしまえばそれまでだが、ロケットの発
射のとき全員が黄色いヘルメットを被っているのを見て、現実も
そうだったんだろうけど、文化の違いを感じた。


アポロ13」のエド・ハリスが演じるフライト・ディレクターは、
まあ格好いいこと、クールで器の大きい男には惚れ惚れした。


はやぶさ/HAYABUSA」における実質的なプロジェクトリーダーは
佐野史郎が演じていて、これはこれでよかったのだが、いかにも
日本的な統率という印象だ。


リアルな映画にしようとがんばったのは分かる。
けれども、盛り上がりに欠けるのは監督の腕が悪いからだろう。


悪口ばかりになってしまったが、はやぶさに興味のある人は、
見ると楽しめると思う。そうでない人にとっては退屈かも。