なくもんか

初日に行ったのは特に理由はなく、たまたまである。
何の予備知識もないまま見たが、面白かった。


といっても、どういう褒めかたをしていいのかよくわからない。
なんというか、松竹新喜劇を映画で見たような感じで、古典になる
ような名作ではないし、かといってつまらないわけではない。


きっと、日本映画の全盛期だった1955年前後は、このレベルの作品
が大作のあいまにいくつも作られていたのだろう。
森繁久弥の「社長シリーズ」とか、クレイジーキャッツの一連の映画
などを平成に作ったらこうなるのではないか。


同じスタッフが前回つくった「舞妓Haaaan!!!」も佳作だったし、こう
いう映画は必要なんだと思う。
残念なのは、もはや映画会社ではなくテレビ局が主体になって制作して
いることだが、見る側にしてみれば誰が作ろうと関係はない。


ひとつ不満があるとすれば、最後に沖縄のステージで漫才をするところ
だ。
日没近い時間なので、撮影が大変だったと思うし、美しい夕陽が撮れて
いたが、あのシーンは金城兄がほったらかしだった。


私なら、なんとか舞台に上がった金城ブラザーズだが、ぐだぐだになり
観客が白けたところで、着ぐるみを着た阿部サダヲが登場して大爆笑を
かっさらう、とするがどうだろうか。


そして嵐のように去ってゆき、オカマ姿のまま竹内結子と子供たちと抱
き合うバックに夕陽、というのがいいと思うのだが。




見終わった後に、無性にハムカツが食べたくなるので、映画館はハムカ
ツを売ればいいと思いますよ。