重力ピエロ

重力ピエロ 特別版 [DVD]

重力ピエロ 特別版 [DVD]

テレビで放送していたので、なんとなく見てしまった。
私は伊坂幸太郎の映画と相性が悪いらしく、「ゴールデンスランバー
も「アヒルと鴨のコインロッカー」も、いまいちグッと来なかった。
70点ぐらいの水準なのだ。


ただ、小説はもっと面白いかもしれず、上記の作品もたぶん小説を
読んだプロデューサーが、これを映画にしたい、と思ったから映画
になったわけで、読まないのが悪いのだろう。


私は「SOSの猿」を新聞連載で読んだきりで、これもイマイチだった
から、伊坂幸太郎の本を買おうという気にならない。
いま、朝日新聞で「ガソリン生活」という小説を連載しているが、これ
は面白い。どうなるのか毎日楽しみにしている。


さて、重力ピエロだが、私には渡部篤郎が演じるレイプ魔の理屈が
よく分からなかった。
作劇としては、このレイプ魔の理屈が見ている人を説得できないと
面白くならないと思うが、単なるサディストのようにしか見えず、
悪の奥行きが窺えなかった。


これも小説の方はきちんと書いているかもしれず、ちょっとその
部分だけでも読んでみたいと思った。



それにしても、仙台は伊坂幸太郎という人気作家がいて羨ましい。
これほど仙台を舞台にした映画ができるのも、彼のおかげである。


それに対して松山はどうだろうか。
いまだに「坊っちゃん」である。
東北大学という知的な集積があるのとないのでは、こうも違うのか、
と残念に思う。