ドリームガールズ

18:00からの回で40人ぐらい入っていた。
1000円で見られるし、アカデミー賞効果があったのかもしれない。


この映画は、ミュージカルの舞台をもとした作品で、黒人の歌手たちの衰勢を描いている。
あらすじや設定は検索していただければ分かることなので書かないが、モータウンの音楽が好きな人
なら必見の作品だった。
とにかく、みんな歌がうまい。うますぎる。


ビヨンセが主役扱いで、シュープリームスダイアナ・ロスとおぼしき役を演じている。
最初の方は可愛い女の子っぽい感じだったのが、物語が進んでいくうちに、気味の悪いほどダイアナ・
ロスに似てくる。
このメイクや衣装が素晴らしかった。


しかし、歌になるとビヨンセっぽい力強い部分が目立った気がする。
ダイアナ・ロスは、こってりしたソウルフルな唄い方ではなく、軽いあっさりとした唄い方が持ち味
(日本でいうと、いしだあゆみか?)なので、そこはちょっと残念だった。


ただ、この映画の真の主役は間違いなくジェニファー・ハドソンだろう。
そりゃ、アカデミー賞助演女優賞もとるはずだ。
物語の中ほどで、わがままを言うため脱退させられるところがあり、そこで自分の思いを唄う場面
が圧巻だった。
米国の映画館だったら、このシーンの終わりに、みんな拍手をしたり口笛を吹いたりするだろう。


もともとジェニファー・ハドソンが演じるエフィー・ホワイトは、3人組のリードシンガーだった。
彼女は自分の歌に自信があったし、他のメンバーもそれを認めていた。
だが、ショービジネスでは、歌唱力よりもルックスを優先させることがある。
新しくリードシンガーに選ばれたのは、ビヨンセ演じるディーナ・ジョーンズだった、という話だ。


ハロプロで例えるなら、プッチモニ保田圭がセンターだったのを後藤真希にチェンジしたようなも
のか。あるいは、二期タンポポ飯田圭織がセンターだったのを石川梨華にチェンジしたようなもの
かな。
それぞれのファンの方には納得いかないかもしれないが‥‥


思えば、「ASAYAN」というテレビ番組で芸能の舞台裏を垣間見せながら、視聴者と物語を作り上げて
いった初期のモーニング娘。は、この映画に通じるものがある。
(本当はもっとえげつない部分があるだろうけど、そこは隠しているところも含めて)
今のハロプロの子たちには、絶対に見てほしいなぁ。


モータウンの黄金期は過ぎ去り、名曲だけが残った感があるけど、こうした黒人向けの音楽は完全に
ラップやヒップホップに移行してしまったのだろうか。
オッサンとしては、ちょっと哀しい。


そういえば、レイ・チャールズの伝記映画もヒットしたし、米国の音楽業界にはまだまだネタがある
はずだ。ジェームズ・ブラウンは絶対に企画されているだろうし、下手をしたらマイケル・ジャクソ
ンだってフィクションとして映画化されるかもしれない。
現に「ドリームガールズ」にも、ジャクソンファイブっぽいグループが出てたし。
次は誰の映画が作られるか楽しみだ。


写真と本文はまったく関係ありません

我が軍のシュープリームスといえばこれだな




完全に蛇足なのだが、映画の中で黒人女性歌手はほとんどカツラをつけていた。
素の髪型は醜い、というイメージがあるのだろうか。
もしそうだとしたら、そのイメージを受け入れることは白人に憧れることであり、黒人にとっては屈
辱的なことではないのか、と勝手に心配してしまった。
黒人のフェミニストは、どう考えているんだろう。