七夜物語

昨日、朝日新聞で連載していた川上弘美の小説「七夜物語」が終わった。
588回を読者として伴走できた幸せを感じた。


さて、最終回はいささか唐突な印象だった。
主人公のさよは小説家になっており、小学生だった自分の冒険をふり
かえる、というかたちで終わっていた。


私が気になっていた仄田くんとの関係も、恋愛とかには全くならず、
久しぶりに同窓会であったら地球物理学者になっていた、というもの
だった。


たぶん私が恋愛厨だから物足りないのだろう。
でも、さよと仄田くんが欅野高校で会った高校生のカップルは、前に
七夜物語の世界を冒険していた、という伏線があったではないか、と
記憶している。


私はてっきり、小学生のころの冒険をすっかり忘れたふたりが大学生
になって再会してラブラブになる、という展開を夢想していた。
(いま自分で書いてみて、我ながらキモいと思った。反省している)


ところで、この小説はかなり大部になると思うが、単行本はどのよう
な形で発売されるのだろうか。
きっと夏休みの課題図書にされる可能性が大きいと思う。


私は課題図書とか読書感想文のシステムが本嫌いの子を増やす原因に
なっていると確信しているので、早くこのような制度をやめてほしい
のだけれど。


できれば、先にアニメ化とか映画化した後で、原作をじっくり読む、
というのが、子供にとって入りやすい形ではないかと思う。
とにかく、映像化が楽しみな作品である。どこも映像化するとか発表
していないのだが。