いまひとつピンとこなかった。
いまあらためて読んでみると、学習塾のクロニクルになっていて、
これは時系列どおりにきちんと映像化した方がいい作品だった。
(たしかドラマは現代編が最初の方にあったと思う)
私も中学生相手に塾講師をしていた経験があるので、学習塾
あるあるをうなずきながら読んでいた。
著者の視点はもっと大きく、公教育との関わりについて描いて
おり、最近の教育格差まで視野に入れている。
なので、わりとポンポンと時間が飛んでいて、その間の物語も
読んでみたかった気がするが、それはないものねだりだろう。
それにエンタメ小説として振り切るなら、中学受験をメインに
書いたほうがいいが、それは本作の主題ではない。
↓
中学受験といえば、先月から始まった「二月の勝者」を録画して
数週間遅れつつ見ている。
大都市圏の富裕層では、中学受験は当たり前のこととして語られて
いる。教育費も馬鹿にならない金額だ。
しかし、中学受験の勉強って意味はないと思う。
特に算数は、小学生の範囲でむりやり難しい問題を作って解かせて
おり、時間の無駄ではなかろうか。
中学受験を経て東大に入った人と、公立中学から公立高校を経て
東大に入った人とでコホート研究的な追跡調査をして、どんな
影響があるのかを調べてほしいものだ。