夢の国の嘘

米国で大人気のテーマパークでは、キャラクターのコスチュームを
着てお客にサービスしている。
「中の人などいない」というタテマエを全員が共有している。


でも、大人だったら、あれは中に普通の人が入っているんだ、とい
うことを知っている。
敢えてそう言わないのは、子供たちの夢を守るためである。


もし万が一、中の人が心の病をかかえたとしよう。
そして手軽に入手できる銃を園内で乱射して、多数の死傷者が出た
としよう。


テーマパークの責任者は、想定外のことだ、と言うだろう。
あれはキャラクターではなく、中の人がやったことだ、とも発言す
るだろう。


そして、二度とこのようなことがないように、中の人の健康管理を
厳重にするとともに、テーマパーク内に銃を持ち込ませないように
するだろう。
(現在も銃の持ち込みには厳しい制限があるようだが、いちいち
チェックはできないと思う)


本当にこんな事件が発生したら、テーマパークのイメージは著しく
傷つくだろう。来園する人は激減するかもしれない。
そうなって初めて、米国は銃社会をどうにかしようと考え始めるの
ではなかろうか。


話はいきなり日本の原発に飛ぶ。


絶対に安全だとアナウンスされ、みんながそのフィクションを信じ
るふりをしていたけれど、「想定外」の大事故が発生してしまった。


これまで原発を推進してきた人は、まだ人々が夢の国の嘘を信じて
くれると思っているのだろうか?