Boaz2012-12-18

病気になったら、先進国のほとんどの人は病院に行って診てもらうだろう。
「いや、それはモノノケの仕業じゃ」
と加持祈祷するように言う人がいても、普通は無視するはずである。


体調の不良には何らかの原因があって、その原因を明らかにして処方すれば、
多くの病気は治る、と考える点では、平安時代の人も現代の人も同じである。
ただ、科学的なアプローチをするか、宗教的なアプローチをするかの違いだ。


そして先進国のほとんどの人は、科学的なアプローチを選ぶ。
これは教育のおかげである。
医療に関して、普通の人が全体的に賢くなったから、当たり前のように病院に
行くのだ。
現に今もある呪術社会では近代的な医療はなされない。


普通の人が賢くなるのに、どのくらいの時間とコストがかかったのだろうか。
医者は昔からいただろうが、殺菌や消毒の概念が普及したのは明治時代から
であろう。
また、上下水道の整備の役割も大きい。


とはいえ、日本ではワクチン接種について、迷信ともいえる言説がネット上で
さまよっており、普通の人の賢さの底上げがまだまだであることを伺わせる。
たまたま医学について話したが、他の分野でも同様であろう。



米国で銃の乱射事件が起こり、20人の幼い子供たちが犠牲になった。
だが、米国人たちはホームセンターで普通に銃が買えることについて、
ほとんど疑問に思わない。
この点に関してのみ、米国は完全に狂っている。


安全や治安については、米国社会は中世以前の世界観しか持っていない
ようである。
民間にこんなに武器が流通している社会はおかしい、という考え方が
普及するのに、どのくらいの時間がかかるだろうか。