カバ

NHKが夜中にやっていたカバのドキュメンタリー番組を偶然見た。
アフリカで最も人を殺している動物は、実はカバなのだそうだ。


実際にカバに襲われ、九死に一生を得た観光ガイドが登場していたが、
彼は全身を30ヶ所以上刺され、左腕を失っていた。
何しろ上半身をカバに飲み込まれ、水中に引きずり込まれたのだ。


私はカバがそんな恐ろしい動物だとは知らなかった。
むしろ温厚な動物というイメージを抱いていた。
それは単なる思い込みにすぎなかったのだが、ではそのイメージはど
こからきたものなのか? 


カバヤという菓子メーカーがあるが、お菓子のイメージと重なったの
か。
昔「カバトット」というアニメがあったが、アニメやマンガに登場す
るカバは、温厚なおじさんキャラだったので、そのような刷り込みが
あったのか。
虫歯の日に動物園で巨大なキバを磨くパフォーマンスを見て、飼育係
のいうことをきくおとなしい動物だと印象づけられたのか。


思い当たることはいろいろあるが、総じて日本のメディアは野生のカ
バの姿を正しく伝えていなかったことになる。
遠いアフリカにいる動物なので、勝手に想像したイメージでも特に問
題ないと思ったのか。


おそらく、これはカバに限ったことではなく、他のことでもそうなの
だろう。
フランス人がみんなオシャレかというとそうでもなかったり、中国人
がみんないい人かというと全く違ったりする。


身近にないもののイメージは、勝手に作られたものかもしれない、と
疑ってかかった方がいいのかもしれない。
女はみんな優しい、とか。