新・美味しんぼ

なんつーか、B級感あふれる2時間ドラマだった。
でも、2時間ドラマとしてはそこそこの出来だったと思う。


私が不満だったのは、栗田ゆう子を優香が演じたことだ。ちょっとトウが立っていないだろうか。
できれば相武紗季あたりをキャスティングしてほしかった。
たぶん、このあたりのフレッシュ感のなさがB級っぽい雰囲気になったのだと思う。


もう一点は、マンガ的表現の稚拙さだった。
東西新聞の社主が怒るところなど、頭に♯マークをつけ、真っ赤になった様子をCGでやっていたが、
なんか違和感があった。
また、美味しいものを食べたときに、どこからか光が差し込んでくるようなCGをつけていたけれど、
あれも違うような気がした。


それから、食べる演技がみんな汚い。
特に広角レンズ(?)でアップになったときの顔など、テレビで見せるものではなかろう。
名優の条件は、立っているだけで画になることと、おいしそうに食べることである。
このドラマに出演する俳優のほとんどは、食べるとき、おいしそうに見えなかったなぁ。


そういえば、このドラマの宣伝のためか、一週間ぐらい前のラーメン特番のとき、なぜか雁屋哲
出演していた。かつて作中で、フジテレビらしき局を極亜テレビと批判していたのに、どういうこと
かと思ったが、いろいろ大人の事情があったのかもしれない。


それより、私は作画の花咲アキラが気になってならない。
彼は「美味しんぼ」しか描いておらず、しかも原作者の方が圧倒的に有名で力もあるものだから、
ほとんど表には出ない。(いつか新聞に載っていたことがあったが、温厚そうな顔だった)


小学館の編集者は、雁屋哲の原作を受け取ったら、どんな料理なのかを取材しなければならない。
料理や食材の写真は雁屋哲が用意するのだろうか? そうでなかったら、どこかで取材して写真を
撮って、作画担当の花咲アキラに渡さなければならない。けっこう大変だ。


作画の場合は、原作があるのでネームは楽だと思うが、グルメマンガだけに、できるだけおいしそうに
描かなければならず、たぶんノウハウの蓄積がハンパじゃないはずだ。
ただ、その技術はマンガ以外ではどこにも使われてないみたいなのがもったいない。


そもそも、花咲アキラはおいしいものを食べているのだろうか? 
まさか、雁屋哲と担当編集者は取材で食べまくっているが、花咲アキラだけは写真で我慢している
ことはないのか、他人ごとだがすごく心配だ。


Wikipedia によれば、1956年生まれだそうだから、今年は51歳になる。
もう20年以上、ただひとつのマンガの作画を担当しており、まさに「美味しんぼ」に一生を捧げた
人と言ってもいいだろう。
松茸とかスッポンとか、たらふく食ったことはあるのだろうか‥‥


中川!ウォシュレットはいい... - 雄山 - はてなセリフ