- 作者: 金益見
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/02
- メディア: 新書
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内容はきちんとしているのだが、別に大学院生が研究したとも思えず、これ
なら風俗ライターが書いても同じようなものになるのでは、と。
この本の冒頭でも書かれているとおり、これを読むなら井上章一の「愛の空
間」を読んだ方が何倍も面白い。
ラブホテルが情報誌に載ってカジュアルなものになったのは、本書によると
1995年の「ぴあ関西版」からだそうだ。さすが大阪。
それでも、まだ13年しか経っていないのか、と思うと、いかにラブホテルが
日陰の存在だったかが分かる。
四国にも、ラブホテルの情報ムック「ホテルん とまるん」というのがあった
はずで、本屋で見かけたことがあるが、売れ行きは知らない。
きっと私が疎いだけで、四国の若者たちは大いに利用しているのだろう。
地方だと、ディズニーランドがあるわけでもなし、男女がデートするとなれ
ばラブホテルに行くぐらいしかない。
うちの近所にも何件かラブホテルがあるけれど、中がどうなっているのかは
知る由もない。
そもそも、私はラブホテルに最後に行ったのは、10年以上前である。
なので、進化とか言われても、別の惑星の話をされているようで、ああそう
ですか、と肯くしかない。
私としては、先日発生した個室ビデオとラブホテル事情をリンクさせてみた
い。
つまり、日本でこのような施設が発達するということは、いかに住宅事情が
貧困か、ということの証左ではあるまいか。
ゆったりとくつろげる空間が、いかに日常から排除されているか、というの
は、建築学的におおいに議論されるべきだと思う。
単に広さの問題ではなく、安普請が多い、ということではなかろうか。