言語世界地図・世界の言語入門

言語世界地図 (新潮新書)

言語世界地図 (新潮新書)


世界の言語入門 (講談社現代新書)

世界の言語入門 (講談社現代新書)

今よりもっと頭がよかったら、言語学者になりたかった。
しかし、英語すらおぼつかない奴にとっては夢のまた夢である。


どういうわけか、同じような時期に似たような内容の新書が出ていたので
読み比べてみた。
一冊は町田健の「言語世界地図」で、もう一冊は黒田龍之助の「世界の言語
入門」である。


町田健の方は、タイトルどおり各言語ごとに世界地図の図版を入れて、ど
のくらいの範囲に、どの言語が話されているか、分かりやすく見せている。
基本的にアカデミックで、過不足の無い内容だと思う。


黒田龍之助の方は、語学エッセーなので、世の中にはこんな言葉があるん
だ、と思えばそれでいい内容だ。
どの言語も見開き2ページで書かれているが、著者の得意な言語とそうで
ない言語で、記述内容の差が激しすぎるのが難点だった。


言語学の世界なんて狭いだろうから、町田健黒田龍之助は面識ぐらいあ
るだろうけど、たぶん仲はよくないに違いない。
おそらく町田健言語学の権威なのに対し、黒田龍之助ドロップアウト
した人ではなかろうか。


なので、黒田の方には、権威的なものに対する反感や挑発が垣間見える。
「マイナー」な言語に肩入れするのも面白かった。


オッサンには町田健を、若者には黒田龍之助をお薦めしたい。