- 作者: 松本修
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2018/10/05
- メディア: 新書
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一冊である。
面白い読み物ではあるが、学術的に正しいかどうかは疑問だ。
歴史モノの、本能寺の変は明智光秀の陰謀が、というやつと同類では
なかろうか。
言語学の呉座勇一みたいな人がきちんと検証してほしい。
そう思ってアマゾンのレビューを見たら、ほとんどが絶賛である。
ちょっとびっくりした。
私と同じ意見なのはほとんど1人だけだった。
その人と同様、性器の呼び方は親が我が子を慈しむ気持ちから
生まれた、と根拠もなく断定しているのはおかしい、と私も思う。
ほかにも、それはあなたの思い込みですよね、という記述が多く、
論証になっていないところが多い。
(ただ「魔羅」の梵語漢訳説を論破しているところは正しいと思う)
正直、言語地図で同心円状になっているとされるが、牽強付会な
ところもあるのではないか。
結びの章は、うっすらと日本会議臭がただよっていて、読み進むのが
辛かった。本書に百田尚樹はまったく登場していないのだが、逆に
そこに違和感をおぼえる。