- 作者: 小谷野敦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/04/17
- メディア: 新書
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以前に新潮新書で出た「日本人のための世界史入門」とペアで読みたい一冊で、
面白かった。
といっても、高校で日本史を履修した程度の知識がないと、ついていけないの
かもしれない。
あるいは、大河ドラマファンだと、より分かりやすくなるように書いてあると
言うべきか。
幕末で終わっているので、できれば明治以降の近現代史も書いてほしいのだが、
そんな暇はないような気がする。
できれば、この本が「バカの壁」みたいに売れて、猫猫先生が巨大な書庫のある
一戸建てを建てられたらいいな、と思う。
↓
ところで、p 222 に
たとえば、日本で人力車が使われ始めるのは明治時代だが、なぜ徳川時代に
なかったかといえば、車輪を作る技術がなかったからだ。
とある。
車輪自体は平安時代に牛車があったし、江戸時代でも大八車が普通に存在して
いたと思うのだが、これは、人や物資を長距離移動させる手段としての車輪、
ということなのだろうか。
だとしたら、車輪を長距離移動で使うための技術がなかった、と書いた方が
分かりやすいと思った。
言わずもがなだが、物資の移動は船を利用する掘割が発達していたから、
車輪を使って陸路で運ぶ必要があまりなかったから、とも言える。
しかし、明治時代でも、例えば東京から大阪に移動する場合は、人力車を
使っていたのだろうか。
庶民は鉄道ができるまでは徒歩で移動していたような気がする。
このあたりは交通史の本で調べたほうがいいのだろう。