ノーベル賞の権威

ノーベル賞を貰った人がすごいとされるのは、ノーベル賞がすごい賞だと多くの
人に信じられているからだ。


では、なぜ多くの人がノーベル賞をすごいと思うかといえば、なんか偉い人が決
めているからじゃないの? ぐらいの薄い答しか返ってこないだろう。


実際、ノーベル賞の理系部門の受賞理由を、きちんと理解できる人はどのくらい
いるだろうか。
私はどこがすごいのか、さっぱり分からない。


ということは、賞というものは、それ自体よりも、周りがすごいと思ってくれる
ことの方に実体があると言えるのではないか。
そのような権威を醸成するには、わりと時間がかかると思うが、ノーベル賞はわ
りと素早く成功した例ではなかろうか。


日本でも、京都賞を作っているが、ノーベル賞ほどの知名度はない。
二番煎じではいけないのだろう。


また、賞というものは、私が認めてあげよう、という上から目線のものである。
こういうのがムカつく人は、賞を辞退するし、好きな人はいくらでも欲しがるの
だ。
老人になると、名誉を求める気持ちがことさら強くなるらしい。怖いことである。


新聞やテレビを見ると、みなさんちょっとはしゃぎすぎでは? と思う。
めでたいことだけれど。