バカにならない読書術

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前半が養老孟司の語り、後半が養老孟司池田清彦・吉岡忍の三人の鼎談になっている。
後半は三人のオッサン(というかお爺さん?)が好き勝手なことを言っているだけで、別に
読書術なんかを語っているわけではない。


こういうタイトルにしたのは、もちろん養老孟司の「バカの壁」を意識してのことだろうが、
本を読んだって別に利口にはならないと思う。
鼎談はアエラに連載されたものらしいが、各パートの冒頭に書いてあるリード文があざとく
て嫌いだ。アエラはどうして私の神経を逆撫でするようなものばかり書くんだろう。


というわけで、後半の鼎談で紹介された本を読むことはたぶんないだろうけど、マンガを語
ったパートで、池田清彦が息子から借りた「ジョジョの奇妙な冒険」にハマッたという話は
初耳だった。


私が面白かったのは前半部分で、いま流行りの「読み聞かせ」やバイリンガル教育をバッサ
リと斬っているところが爽快だ。


それより、これで知ったのだが、養老孟司は「タケシくん虫日記」というブログを書いてい
るらしい。検索したら見つかったのだが、単なる虫オタクのブログである。
分からないのは、なぜ日経ビジネスオンラインで連載しているか、ということだ。
なんだか胡散臭い。


胡散臭いといえば、最近の環境問題のバランスの悪さについても言及している。
誰にも文句が言えない状態は、戦前のようだ、と。
確かに「環境のためだ」と錦の御旗を出されたら、黙り込むしかないのは異常だ。
エコファシズムというべきだろうか。


そのうち環境のためなら人だって殺す、という団体が現れるかもしれない。
いや、現にそういう人はいるな。人間よりクジラの方が大事な人たちが。
なにごとも原理主義になったらいかん、ということですな。