忘年会シーズンである。
私もひとつだけ出席させてもらった。
しかし、数少ない私の宴会出席経験から考えるに、基本的に会社であまり親しくない人と酒を
飲んで喋っていても、楽しくもなんともない。
いや、あまり親しくない人と親しくなるために酒を飲むのだ、と言われるかもしれないが、私
は酒を媒介にしなくても親しくなれる人とは親しくなれるから関係ない。
だいいち、小中学生で親しくなったときはお互いにシラフだったはずだ。高校でも、酔ってか
ら友情が深まるということはあまりないと思う。
なんであまり親しくない人と酒を飲むと楽しくないのか考えてみるに、職場の上下関係がある
からではないか、と思った。当たり前だと言われればそれまでだが、上司と酒を飲んでいてリ
ラックスすることはできない。
たいていは説教モードに入った上司に、うんざりしながら耳を傾けるとか、同じことを何度も
何度も繰り返すので、いいかげん腹が立ってきたりなど、まともに対応しているとアホらしい
ことばかりである。
それに、こちらが言いたいことを言えないのももどかしい。
だいたい、相手がこちらの話をまともに聞いていないことだってある。
若手とあるていど話がはずむのは、よほどできた上司だろうと思う。
まあ、同じぐらいの年齢の人とだって、合わない人は合わないだろうから、上司ばかりを責め
るのもどうかと思うけれど。上司から見れば、何を言っても無反応な部下と飲んでいたって、
やはり面白くもないだろうし。
そこへカラオケが入ると、もうどうしようもなくなってくる。
誰も他人の歌を聞いてない状態も嫌いだが、全員が一致団結して同じ歌を熱唱する状態も苦手
である。私ひとり乗り切れないからだ。
結局、誰と酒を飲んでもおいしくないのは、私のせいである。
ああ楽しかった、と何時間も時の経つのを忘れて話し込めるのは、数人だけだ。
もう一度飲みたいと思える数少ない友人である。
なので、居酒屋で見知らぬ人と仲良くなるなんて、私にしてみれば火星へ探検に行くぐらい難し
いミッションである。
お酒は控えめに、楽しい話を心がけましょう。