ポアンカレ予想

NHKスペシャルを見た。
ポアンカレ予想とはどんなものか、そしてポアンカレ予想を証明した功績によるフィールズ賞
受賞を拒否して失踪したペレルマン博士とはどんな人物かを追ったドキュメントだった。


トポロジーという学問は、いまの時代にCGで説明されると直感的に理解できそうな気がするが、
あれを数式だけで考えろと言われても、普通の人にはさっぱり分からないだろう。
私もほとんど理解できなかったが、モノの形を穴が開いているかどうかで分類するらしい、とい
うことは分かった。


しかし、その後の「宇宙は8種類の断片から成る」という話は、もうチンプンカンプンだった。
8種類のうち分かるのは球だけで、後はなぜそんな形をしているのか、他のものとどのあたりが
違うのか、図を見ても分からない。


しかし、それを証明することで、ポアンカレ予想に近づくという話はおぼろげながら分かった。
こういうとき、普通の人にも分かるような比喩を使ってくれるのがうれしい。
数学にも文学的センスが必要なのだろう。


ところが、ペレルマン博士はトポロジーとは別の方法でポアンカレ予想を証明したのだそうだ。
本職の数学者が証明を理解できなかったそうだから、その独自性は際立っていたのだろう。


その後、失踪したのも謎だが、生計はどうやって立てているのか。
恩師の訪問も拒絶して引きこもっているみたいで、もともとは明るい人だったのに、その心境の
変化は常人には理解できない。


数学のように、純粋に考えるだけの仕事は、人間の精神をどうにかしてしまうのだろうか。
頭が悪い方が幸せかもなぁ、と寝ぼけながら思ったです。