何日か前の新聞に、国際調査で日本の小学4年生の理科の成績が
過去最高になった、という記事が一面に載っていた。
これ、一面になるような話だろうか。
こういう調査結果に一喜一憂しないのが大人のメディアではないか
と思うのだが、とりあえずセンセーショナルに煽れば気持ちがいい
のだろう。
さて、この調査でアンケートがあったらしく、日本の子供たちは
世界の中でもかなり数学が嫌いだということが分かった。
こんなに数学が嫌いになるのはなぜなのか、という話がまったない
のが不思議なのだが、私なりに考えてみた。
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たぶん、子供たちはカリキュラムに急かされすぎなのではないか。
いや、それはゆとり教育の失敗で否定されているのだ、という意見が
すかさず出てくることは承知している。
加減乗除の計算力をつけるためのトレーニングは、小さいころから
徹底してやった方がいいと私も思う。
これは筋トレのようなものなので、ある程度は誰でもできるように
なる。
多くの子供は、文章題になると苦手意識が出てくる。
これは算数というより国語の話になってくる。
要するに、どういうことを問題にしており、どういう式を立てれば
いいのか、さっぱり分からないまま、問題にある数字を切ったり
貼ったりする子が出現する、ということである。
こういう子たちをきちんとフォローするだけでも、かなり違うのでは
ないか。
もちろん、現場の先生たちは頑張っていると思うけれど、忙しすぎて
手が回らないのも現状ではなかろうか。
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中学になると、やや抽象的になっていき、一次関数とか連立方程式で
挫折してしまう子たちが出てくる。ちょうど中2ぐらいだ。
これはふざけた話かもしれないが、問題が真面目すぎるのではないか。
もっと中2心をくすぐるような文章題を作ったら、生徒の食いつきも
いいのではなかろうか。
(私は英語の例文をできるだけ工夫したつもりだが、食いつきが悪く
反省したものである)
こういうのは学校の先生よりも、塾講師の方が得意かもしれない。
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高校に入ると、私も挫折したので何も言えないのだが、数学的なものは
いまだに興味があるので、嫌いではない。
ただ問題がまったく解けないだけだ。
それでも、数学の問題は解けるけれども、数学的な考え方は全くない人
がいて、そういうのは受験勉強のための数学だったんだろうな、と思う。
少なくとも私がいた高校では、数学の授業で感動したことはなかった。
ひたすら問題演習が続いたので、黒板の文字を写経する毎日だった。
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数学はどこかでドロップアウトすると、なかなか這い上がれないから
嫌いになる人が多いのだろう。
ということは、こまめにフォローしてあげることが一番だと思うが、
そんな予算も暇もないのでしょう。
それに数学を専門にする人は、放っておいても勝手に勉強するわけで、
国民全員を得意にさせるよりよほど効率的である。