- 作者: 伊藤亜紗
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/04/16
- メディア: 新書
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ではなく別の可能性の扉として意識する、という内容だった。
読みやすく面白かったし、目の見えない人がどんな空間認識をしているのか、
少しだけ想像できた。
が、私はアニメやマンガが好きなので、いま視力を奪われたらかなり厳しい
とも思った。
盲目の人はどんなものにオタク的興味をそそられるのか知りたい。
↓
本書を手に取ったのは、目の見えない人は数学をどう認識しているのか、と
いうことだった。
先天的に見えない人は、正方形とか平行四辺形、円と楕円、直角三角形などの
図形を、どのようにとらえているのか。
触って形をイメージするのだと思うが、二次関数のようなグラフはどうなの
だろうか。
中学の数学でよくある、二次関数と直線の交点を求めよ、みたいな問題は
健常者だと図を見れば理解しやすいと思うが、全盲の人はどうなのか。
そして、高校ぐらいまでの数学は視覚の方が優先されるかもしれないが、
もっと先に進むとどんどん抽象的な世界になるから、むしろ目の見えない人
の方が余計なことを排除して考えられるのでは、と思う。
数学者で目の見えない人はどのくらいいるのだろう?
同様に、将棋や囲碁も、視覚的な情報はどのくらい思考に影響を与えている
のかも知りたい。
棋士は何もなくても脳内に将棋の盤面を再現できるが、やはり見えたほうが
いいのかどうか。
↓
もうひとつは男性に限るかもしれないが、性的な妄想である。
これはかなり視覚の力を借りなければ育たないはずだ。
しかし、この分野も、もしかすると目の見えない人の方が脳内でエロいことを
考えられるのかもしれない。
聴覚と触覚は、視覚よりも密度が濃いような気がする。
それとも、盲人用のエロ本的なものが普通に流通しているのだろうか?
下世話なことだが、決してバカにしているわけではなく、どういうことで
興奮するのかを単純に知りたいだけである。