はじまりの数学

はじまりの数学 (ちくまプリマー新書)

はじまりの数学 (ちくまプリマー新書)

本屋で最初の方を立ち読みしたとき、分かりやすい数学史の本かな、と
思って購入したが、後半に失速した。


おそらく著者は、ほとんどの人が理解できない現代数学について詳述を
避けたかったのだと思うが、エジプト文明から始めたのに尻切れトンボ
になった印象が強い。


特に「ケーキの切り分け問題」は完全についていけなくなった。
ここに力を入れるんだったら、もう少し数学史を詳しくやってもらえな
かっただろうか。


それから、文章に割って入るようなイラストも意味がないのでやめた方
がよかった。なんでこのタイミングで1ページまるまる空けてイラスト
を入れる? というものばかりで、編集者のセンスを疑う。


なんだか文句ばかり書いてしまったが、前半の古代文明と数学の話は
とても面白かったので、インドや中国の古代文明と数学の話も加えて
くれたらボリュームも増えてよかったと思う。


中学生に数学を教える人が、小ネタを仕込むために読んだらいいので
はないだろうか。