- 出版社/メーカー: 東芝デジタルフロンティア
- 発売日: 2003/05/23
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タイトルを見ると、なんだかほんわかした料理の映画のような気がするが、割と渋いトーンの作品
だった。
ドイツのハンブルグにあるフランス料理店でシェフをしているマーサが、事故で亡くなった姉の、
8歳になる娘を引き取ることになる、というストーリーだが、この姪との関係を軸に、自分自身や
周りの男との関係も描かれていく。
ドラマのパターンとしては、「クレイマー・クレイマー」と似たものがある。あの映画では、最初
ダスティン・ホフマンがフレンチトーストを作るのに失敗していたが、物語の終盤になると鼻歌ま
じりにおいしいのが作れるようになる、という描写があった。
この「マーサの幸せレシピ」では、最初からおいしそうな料理を作るのだが、母親が亡くなったシ
ョックのせいか、引き取った姪がなかなか食べてくれない。空腹のあまり学校で倒れてしまうほど
だ。
ところが、姪をレストランの厨房に連れて行き、マリオというイタリア人の料理人が相手をしてや
ると、トマトソースのスパゲッティをぺろっと平らげてしまう。このシーンはよかったなぁ。
マリオ役のセルジオ・カステリットの演技が光っていた。
全体としていい映画だったけれど、30代でキャリアのある女が見ると、また違った印象を持つかも
しれない。特に子供が苦手な人は共感できるかも。
余計なことだが、この映画のサントラはミスマッチのような気がする。
キース・ジャレットの演奏はとてもよかったのだが、映画には合っていなかった。
他の音楽も、ちょっと安易だったかな、という気がする。そこが残念だった。
あと、主人公の下の階の男は何のフォローもなく終わっているが、何かのエピソードを加えるべき
だったと思う。
最後はマーサとマリオが結婚し、姪を引き取って終わるのだが、彼らが新しいレストランをどこに
開こうとしているのかが分からなかった。
ドイツなのかイタリアなのか?
ラストにドイツの精神分析医が出ているということは、やはりドイツだったのかもしれない。