スローモーション考

最近「アメトーーク」が面白いので、つい見てしまう。
今週は前半がサラサラおかっぱ芸人で、後半がピンポイント芸人のトークだった。
その前半部分で、いかに髪の毛がサラサラかを見せるために、頭を振って乱れる髪をスローモー
ションで撮影する企画があった。


で、確かに髪の毛がふぁっさーっと広がって元に戻る様子が映っていたが、そこは芸人なので、
面白い顔をして笑いをとっていた。
スローモーションってなんでこんなに面白いんだろうか。
一瞬の出来事が細かく描写されることで、視聴者により密度の濃い内容が伝わるからかな。


スローモーションでまず思い出したのは、サッポロ黒ラベルのコマーシャルだ。
山崎努豊川悦司が卓球するやつ、といえば分かるだろうか。

普通のスピードで卓球をやっているだけならば、あんなにドラマチックには見えない。
温泉卓球というユルい世界のはずが、必死になって見えるから面白かったのである。


私は、このコマーシャルからさらに連想して、映画「ピンクパンサー」シリーズのクルーゾー警部
カトーの戦いを思い出した。

ちょっと長いが、戦いは3分30秒あたりから始まる。


なぜか途中からスローモーションになっており、そこが妙に面白い。
コメディ映画では、チャカチャカ動く早回しの方が主流だと思うが、このスローモーションで笑いを
とるアイデアは誰が最初に発表したんだろう? 


ダウンタウンの「ごっつええ感じ」のコントでも、長い付け乳を振り回して敵討ちをするやつがあった。
なぜかスローモーションで、記憶が正しければ中島みゆきの“世情”がかかっていたような気がする。
あのコントは、スローモーションでないと面白くもなんともないはずだ。
YouTube で探したけど、見つけられなかった。残念。


笑い以外でも、カンフー映画では、最も格好いい決めの場面でスローモーションになるものがある。
ワイアーアクション以前の作品は、そういうのが多かったのではなかったか。
余韻というか味わいがあった。


たぶん、真面目な時代はスローモーションで感動できたのだが、時代が経つと笑いにしかならなくなった
のではなかろうか。
マンガでいうと「巨人の星」がそうだったように。
あと、感動するスローモーションのときは、音声をオフにしている。
通常より低い声で遅く発音しているのを聞くと、どうしても笑ってしまうからね。


ただ、何でもスローモーションにすれば面白いのかというと、そうではないだろう。
やはり計算して編集しないと、ダレてしまうと思う。
一発芸みたいなものかもしれない。


映画「スウィングガールズ」では、完全に止まったポーズで笑いをとっている場面があった。
イノシシに襲われるところだったと思うが、うまい作り方だなぁ、と思ったです。
スローモーションだったら、あの味は出ないのかも。


本文と写真はまったく関係ありません

||c| ・e・)<カメ、ここは何度もスローで再生されるような気がするのだ。
从*^ー^)<しょうがないですよ、ガキさん。うちらアイドルだから。



「ごっつ」のコントを探しているときに見つけた、たぶん今のテレビでは放送できないコント。
♪オマエを殺すーー
という歌にシビれる。