いぬ

いぬ 1 (ヤングサンデーコミックス)

いぬ 1 (ヤングサンデーコミックス)

95年から96年にかけて、1年ぐらいヤングサンデーで連載されていたマンガで、柏木ハルコ
連載デビュー作だ(全6巻)。


まだ、セフレというものが一般化(?)していない時代の話である。
主人公の男の子(中島くん)は、いわゆるモテない系の大学1年生で、憧れの女の子がいる。
一方、その憧れの女の子(高木さん)はモテ系でメンクイだが、セックスではイけない。
なぜなら、彼女は恋愛と性欲を分離しているから。


実は高木さんは愛犬とバターを使って性欲を発散させていたのだが、その犬を糖尿病で失ってから
性的に満足することがなかった。
そんなとき中島くんが現れ、犬の代わりになってくれる。


何も知らない中島くんは、高木さんが自分に惚れているものと思い込むのだが、だんだん彼女の
性欲のために利用されていることが分かってきて悩む。
もう利用されるのはこりごりだ、と中島くんは思うのだが、性欲には勝てず、ついずるずると
高木さんの性欲処理係になってしまう。


いま読み返してみると、高木さんという女は自分のことしか考えていないとんでもない奴なの
だが、美人というだけで免罪されているような気がする。
男は美人とやれるだけでいいのかもしれない。


物語の後半に、中島くんと付き合う女の子が登場する。
彼女は恋愛と性欲が一体になっている人なので、中島くんが犬みたいになっていることが信じ
られない。
最終的に、中島くんは振られてしまうわけだが、このときの女の子の心の変わりようがリアルで
引いた。


この作品って、女が自分の性欲を露出させたマンガの嚆矢じゃないかと思うんだけど、その後
この系統のマンガって男性誌で発表されてるんだろうか? 
女性誌だとレディコミなんかで大爆発しているはずなのだが。


もはやセフレという言葉が定着して、恋愛と性欲はバラバラになった感があるが、ネット上で
批判されているロマンティックラヴ・イデオロギーは、恋愛と性欲を一致させようとする最後の
足掻きなのかもしれない。


しかし、男には昔から風俗というものがあり、性欲を処理してきたのだが、女は店舗型の風俗
ではなく、携帯を媒介にした風俗でガンガンやってらっしゃるのでしょうか。
やってても言わないだろうけど。


本文と写真はまったく関係ありません

ちなみに、このマンガを実写にするなら高木さんはぜひ川o・-(自粛しました)