私はへそ曲がりなくせにメジャーなものが好きという矛盾した人間で、長澤まさみも
「こいつには騙されまい」とガードを固くしていたのだが、やられた。
特にメガネをかけた顔に猛ラッシュをかまされて、ダウンしてしまった。
それにしても、あのスカートの長さはどうなんだろう。
主題歌も薬師丸ひろ子のカバーだし、80年代をそのままリメイクしている。
舞台となる浅草という街が、悪く言えば時間が止まったようなところなので問題ない
のかもしれないが‥‥。
実は映画版の「セーラー服と機関銃」は見ていない。
というのも、私は監督の相米慎二が大嫌いだったからだ。
初めて相米慎二の映画を見たのは、たしか「うる星やつらオンリー・ユー」の併映の
「ションベンライダー」だったと思う(当時は二本立ての興行が多かった)。
いま見たら面白いかもしれないが、中学生だった私は意味がわからなかった。
長回しも嫌いで、もっとテンポのある映画が好きだったのだ。
好きな人にはたまらない監督なんだろうけど。
だから、長澤まさみが演じる「セーラー服と機関銃」は映画版と比較することなく
新鮮に見ることができた。
(付け加えると、原田知世バージョンのも見ていない)
物語の骨格は、赤川次郎の原作なのでミステリー仕立てになっているものの、それは
ショートケーキのスポンジのようなもので、堤真一が演じる若頭と長澤まさみとの
恋愛がクリームのようにコーティングされている。
(なんか、うまいこと言った気分になってるなw)
だから、見方によっては少女マンガ的ともいえるわけで、堤真一は長澤まさみに対して
騎士のように振舞うが、絶対に性的な干渉をしないのである。
それは他の組員も同様で、ディズニーの白雪姫と七人の小人のような関係性だと言える。
というわけで、たぶんドSの性格かと思われる長澤まさみが組長を演ずることは
大正解だったのではなかろうか。
「セーラー服と機関銃」と同じような内容の映画に「二代目はクリスチャン」という
作品がある。
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志穂美悦子が最終的にブチ切れる演技が素晴らしい。
1985年制作の角川映画だから、「セーラー服と機関銃」の二番煎じの企画かもしれないが
面白かった。
そうそう、パソコンに詳しいヤクザ役の田口浩正だが、NHKの「サラリーマンNEO」という
番組のコントの終わりに、いきなりバリカンで地毛を坊主にしたのをみて、ずいぶん思い
切ったことをしたもんだと思っていたが、この役のためだったのだな。
最初、誰だか分からなかった。
【追記】
この本は全く関係ないのだけれど、面白かった。
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