SP 革命篇

最終日の最終上映なのに20人ぐらい入っていた。
興行収入はどれくらいあったのだろうか。


前回の野望篇は盛り上がりに欠けたが、最後はどうなるのかという
興味だけで見に行った。
結論から言うと、カタルシスのないまま終わった、という感じ。


二二六事件や三島由紀夫決起を思わせる国会議事堂占拠という舞台
はちょっと面白かったけれど、クーデターを起こすならまず自衛隊
を掌握しないとダメだろう。


この映画からは、国会議員たちへの軽蔑と、官僚たちへのいら立ち
を主張する製作者の声ばかり目立つ。
「覚醒せよ」と告げられた一般庶民(つまり観客)はポカーンとする
しかない。


プロデューサーの主張を背負った堤真一と観客の間で宙ぶらりんにな
った岡田准一は、どうあがいてもヒーローにはなれなかった、という
ことか。


細かいことだが、地雷を踏まされて動けなくなっていた警備員たちは、
映画の終盤でどうなったのだろうか。


あと、官僚たちを爆破して始末するよう命令したのは堀部圭亮だった
のかもよくわからない(そもそもなぜ一か所に集まっていたのか?)。


さらに言えば、トイレで首を吊ったように殺された警察官僚も、誰の
指示で殺されたのか、一度見ただけでは分からなかった。


ウィキペディアでは「世界の亀山モデル」と揶揄されているように、
亀山千広はこの手の映画を量産し続けている。
ヒットした作品もあるが、「踊る大捜査線」がピークだったのでは
ないか。


亀山プロデュースではないが、ドラマ「外交官 黒田康作」が大コケ
して、続編の映画「アンダルシア」もどうなるか危うい。
それでもテレビ局は、湯水のごとく金をつかって、儲かる映画を作り
続けなければならないのだろう。


こんなスカした感想しか書けない奴が何を言っても始まらないのだけ
れど、50年経っても面白いと言えるような映画は、亀山千広には製作
できまい。