- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2006/06/17
- メディア: DVD
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3時間近い大作で、10年以上前に一度見たきりだったのだが、NHKのBS2で放送していた
ので、途中から見た。
前回見たときは、スティーヴ・マックィーンがバイクで逃げ回るシーンぐらいしか憶えて
なかったのだが、今回はひたすら脱走用の穴を掘るのが面白く、こういう脱走モノの映画は
最後まで緊張感が途切れない。
実は、この映画を見る前に、
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2003/06/11
- メディア: 単行本
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この本では、「大脱走」をまるでテーブルマジックのような手際でフロイト的に分析しており、
なんだか騙されているような気にさえなるのだが、何にも反論できない。
多くの登場人物が出てくるので、一度これに目を通しておけば、もう一度見たときに何倍も
楽しめると思う。
最初から見直そうと思って、たぶん95年に録画しておいたビデオテープを引っ張り出してみた。
すると、今日の放送ではちゃんとシネスコサイズだったのに、11年前のはテレビサイズに拡大
されており、両端の部分が切られている。
どうりで、あまり面白くなかったはずだ。
多くの人は、スティーヴ・マックィーンを印象が強いだろうが、私はなぜかリチャード・
アッテンボローに魅かれた。英国の将校で、脱走作戦の全指揮を執る男の役である。
渋い演技で、しかもユーモラスでもあり、この人は名優だったんだなぁ、と改めて思った。
というのも、私は監督としてのアッテンボローか、「ジュラシックパーク」や「34丁目の
奇跡」に出演していた白いヒゲのお爺さん、という印象が強く、若いときにこれほど光って
いたとは夢にも思わなかった。勉強不足である。
(関係ないが、『ハチクロ』に登場するピーター・ルーカスは、↑のイメージを借りているものと思われる)
それにしても、西洋人はとにかく脱出するのが好きなのか、頑強に抵抗するのが身上だ。
クリント・イーストウッドの「アルカトラズからの脱出」とか、ティム・ロビンスの
「ショーシャンクの空に」なんかも、とにかく脱出することに全てを賭ける名作だ。
一方、日本人はそういう映画をあんまり作ってないような気がする。
太平洋戦争時でも、生きて虜囚の辱めを受けるより自決せよ、というぐらいだから、
しぶとく脱出しようなんて思想は一般的ではなかったのかも。
だれか、脱獄もので面白いのがあったら教えてほしいものです。
もうひとつ、「大脱走」は脱出する映画であると同時に、専門家が力を合わせて偉大な
ことを成し遂げる映画でもある。
すごいことをこともなげにやってしまう男たちが、ある目的のために団結する姿は、
それが犯罪であれロケットの打ち上げであれ、感動する。
邦画だと「七人の侍」という金字塔があるけど、最近だと何があるんだろう?