
- 作者: 小林信彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 文庫
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もし代表作を見ていなければ、ぜひ見ることをお勧めする。
その最適なガイドブックとなるのが本書である。
私は20代からずっと小林信彦の映画評を信じている。

- 作者: 小林信彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/12
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映画ガイドだと思うが、この文庫本は今もあるのだろうか。
あまりにも偉大なイメージがついた人は、どうもとっつきにくい
印象があって、「巨匠」とか「帝王」とか呼ばれると、ケッと
思う若者もいるだろう。
が、黒澤明の初期から中期は、実に面白く明快な映画が多い。
モノクロでセリフが聞き取りづらいものもあるが、難解な作品は
ほとんどないといっていい。
私は、勝手な印象だが、黒澤明はマイルス・デイビスと同じような
キャリアをたどっているのではないか、と思うことがある。
マイルスの4ビート時代が黒澤のモノクロ映画時代にあたり、
電化時代がカラー映画に対応していると考えるがどうだろうか。
そしてマイルスの4ビート時代には二度の黄金期があったように、
黒澤のモノクロ映画時代も「七人の侍」と「天国と地獄」前後に
黄金期があったと言えるのではないか。
で、マイルスが電子楽器を導入してからと黒澤がカラーフイルムを
導入してからの時期がダブって見えてくる。
なんだか首をひねるような作品が発表され、でも偉い人なんだから
あんまり批判できない、みたいな雰囲気になったような気がする。
(もっとも、これは私の能力が低いからそう思うだけであって、後期の
作品の方が素晴らしいと思う人もたくさんいるだろう)
なお、先日テレビ朝日で江口洋介主演の「野良犬」のリメイクドラマが
放送されたが、もとの映画をはるかに下回る出来だった。
私の言うことが間違っているかどうか、ぜひ黒澤明の映画を見てほしい。