官能小説文庫

日ごろ愛読している官能小説から、ちょっと面白いのを紹介したい。
基本的にポルノなので、目的はひとつなのだが、その部分以外に作者の妙なこだわりが
書かれていることがある。


まず、マドンナメイト文庫の「美少女の肉獄 奴隷養成教育」から。
(こういうジャンルは、『はまぞう』でもフォローしてないのね)
大金持ちが地図に載っていない島で人間を交配させ美少女奴隷を育成しており、そこに
家庭教師として招かれる退廃した青年がめくるめく体験をしていくハードSM作品である。


こういう突飛な設定のポルノ小説は珍しいと思うのだが、「ドクター・モローの島」の
エロ・バージョンと考えればいいのか。
探せば同様のポルノはたくさんあって、ひとつのジャンルを作っているかもしれない。


この小説の中に、次のようなセリフがある。

「へぇ? オーディオ・ルームもあるんですか?」
「はいインフィニティのIRSガンマを、マッキントッシュのMC2600でドライブしております。」
しかしオーディオの話になると、少し口調が熱を帯びた。
「コントロールアンプもマッキンのC34V。それにアナログ・プレイヤーはロクサンのTMSに
アームは純正のアーティマイズを組み合わせて、カートリッジも同社のシラズを」

なんじゃこりゃ? アダルトビデオなら確実に早送りだ。
なぜ、ここにオーディオの薀蓄を入れなければならないのか、よく分からないが、きっと作者が
こだわっている何かがあるんだろう。


ちなみに、友だちの知り合いにオーディオに詳しい人がいるので、この部分をコピペして送ったの
だが、このシステムでどんな音が鳴るかはやってみないと分からないらしい。


たいていの官能小説は初版で終わるのだが、この作品は再版になっている。
珍しいが、面白かったからけっこう売れたんだろう。


次は同じくマドンナメイト文庫の「美少女解剖病棟 淫虐の肉玩具」である。
自殺未遂になった美少女が運ばれてきた病院で、医師たちが勝手に彼女の肉体を改造して、究極の
セックス美少女を作る、という内容だ。


なんと、この作品はまるごとテレビドラマ「ER」のパロディになっている。
医師の名前がカーター→加太(かた)、ピーター→肥田、などとなっているのは分かりやすいが
マーク・グリーン→碧川真樹雄になっていたり、ジョージ・クルーニー→久留米譲治になって
いると、思わずニヤリとしてしまう。


作者の安達瑶は多作なのだが、内容にブレがある。
どうも二人でひとつのペンネームを使っているらしい。
この作品はエロさも妙なこだわりも両方当たりだった。


実は昔、フランス書院の入社試験を受けたことがあって、履歴書を送ると自社の官能小説を二冊
送ってきた。
それを読んできてくれ、とある。さっそく読んで、試験会場に行った。
そこで、どちらかの作品の感想文を書かされたのだが、気取ったことを書いてしまい落ちた。
もっと素直に、この部分で抜けた、と書けばよかったかもしれない。


その試験会場に、すごい美人がおり、彼女がフランス書院文庫の編集者になって、電話で校正
したりすると、さぞエロいであろうなぁと思った。
俺、死ねばいいね。


本文と写真はまったく関係ありません

( ´ Д `)<この路線でいくぽ?