SF魂

SF魂 (新潮新書)

SF魂 (新潮新書)

新潮新書は、「バカの壁」で当てた手法を小松左京にも使っている。
本人のトークをリライトしているので、まー読みやすいこと。
巻末には生誕から現在までの年表もあって、若い人がこれから小松左京の本を読むための
道しるべになっている。


といっても、私は小松左京の本を「日本沈没」の上巻しか読んでいない。
中学生のときカッパノベルズを古本屋で買ってきたのだが、難しすぎてついていけなかった
のだ。
しかも、エロ中学生だったので、小野寺がビーチでセックスしているシーンだけは、今でも
記憶にある。情けない。


熱心なSFファンではなかった私にとって、小松左京とは「SF映画の人」である。
今年リメイクされた「日本沈没」をはじめとして、「復活の日」「さよならジュピター
首都消失」と、スケールの大きな映画をつくってきたのだなぁ、と思う。
(その流れがいまの邦画に生きているかどうかは、ちょいと疑問だが)


筒井康隆が好きだった私は、たぶん小松左京を食わず嫌いしていたのだと思う。
あと、彼の周辺の人が「あの人はすごい」と言っているので、とっつきにくかったのかも
しれない。
特に高千穂遙のこの本を読んだときは、ちょっと引いた。

教養

教養


小松左京本人は、あまりにもエネルギッシュな人なので、いちいち頭の悪い読者を慮る
余裕がなかったのだろう。
知りたいことが山のようにあって、勉強して発想したことを片っ端から発表していった
ように見える。
それを学問的に追究していったとしたら、時間や身体がいくつあっても足りなかったに
違いない。


この本を読んでいて、おや? と思ったのが1970年の大阪万博のくだりだ。
もともとは京都大学の人脈で「万国博を考える会」をつくって、民間で勝手に研究していた
らしいのだが、いつの間にか政府・官僚のブレーンとして働かされることになった、とある。


万博といえば、堺屋太一である。
なのに、彼のことは一切触れられていない。
小松左京ファンにとっては自明のことなのかもしれないが、もしかして堺屋太一とはすごく
仲が悪いのだろうか? 


ちなみに、この記録映画は当時の熱気が伝わる面白い作品だ。三時間もあるけど。

公式長編記録映画 日本万国博 [DVD]

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私も連れて行ってもらったらしいのだが、幼すぎて記憶にない。
残念だ。


本文と写真はまったく関係ありません

从*` ロ´)<芸術はバクハツたいっ!(←岡本太郎?)