仲代達矢が語る日本映画黄金時代

仲代達矢が語る 日本映画黄金時代 (PHP新書)

仲代達矢が語る 日本映画黄金時代 (PHP新書)

仲代達矢も、もう80歳になっていたとは知らなかった。
数年前にも自伝を出していたはずだが、こういうのは必ず裏をとらないと
いけない。
本書は春日太一という人が聞き書きをしているスタイルだが、どうも仲代
の発言をそのまま書き写したような気がする。


そういう留保を頭に置きつつも、日本映画の巨匠たちの作品に次々と主演
した人なので、話は面白い。
映画の黄金期はなんとダイナミックで荒々しいことよ、と思う。


不勉強なので、仲代達矢が一番ウマが合ったという小林正樹監督の
人間の條件」や「切腹」を見ていない。
でも「人間の條件」は全部で10時間近い大作だからなぁ……


仲代達矢は、ハリウッド映画でいうとアル・パチーノにあたるのかな。
そういうと本人は怒りそうだが。



私が勝手に思っていることだが、仲代達矢はマンガでも登場している。
パトレイバー」の後藤隊長である。


ふだん飄々としていても、有事には切れ者に変わるあたりが、実に
仲代達矢らしいキャラクターと言える。


実在の俳優のイメージを、これほどうまくマンガにした例は他にない
のではなかろうか。