NHKにようこそ!

NHKにようこそ! (角川文庫)

NHKにようこそ! (角川文庫)

友だちが貸してくれた小説を読み終えたところだ。
実は、先にマンガの方を読んでいて、この話は最終的にどうなるのだろう、と小説にも
興味があったのです。


まず、小説の方から。
ひきこもりを主人公にしても、話が転がらないんじゃないか、と思ったのだが、さすがに
フィクションなので、隣に高校のときの後輩がいて、宗教勧誘に来た少女がいて、この
三人で物語が展開している。


あの、読めば分かると思うのだが、ひきこもりだけに思考がまだるっこしいというか、
ループしているというか、普通の人はイライラするかもしれない。
が、ひきこもりというか負け組の人にとっては、いちいち共感できるので、まあ、そういう
人向けなのかな、と。


一般的なひきこもりだったら、ゲームとかネットをぶっ通しでやるもんだろうけど、そういう
キャラクターは隣に住んでいる高校のときの後輩が担っている。


その代わり、主人公はよく寝る。
そして、よく合法ドラッグを飲む。
このあたりが、よく分からない。他にやることはないのだろうか。
(まあ、あったらひきこもりになってないだろうけど‥‥)


突き放した言い方をしてしまえば、ひきこもりは自分でぼんやり仮想した未来が、絶対に
現実にならないと思い込んで、ひたすら思考をループさせているだけである。


その堂々巡りから抜け出すには、何かが必要なんだけど、その何かって何さ? という話で、
またもやループに閉じ込められてしまう。
そうして、いたずらに時間ばかりが経っていって、シャレにならない年齢になるのだ。
なんだ、俺のことじゃんw


結局、一度ドロップアウトしたら救いはないのだね。
がんばってもワーキング・プアにしかなれないっていう現実を見ると、そりゃ死にたくも
なるってもんさ。
そんな勇気もないんだけど。


何もかも諦めて、とにかく食ってウンコするために働けってことやね。


NHKにようこそ! (5) (カドカワコミックスAエース)

NHKにようこそ! (5) (カドカワコミックスAエース)

次はマンガ版の方。
あの原作を、よく膨らませたなぁ、という印象だ。
まだ完結してないと思うけど、一番新しい単行本では、主人公は実家に引き上げている。
原作の小説にはないけど、新たに書き足しているのかな。
どんどん着地点が見えなくなっているが、大丈夫だろうか? 


ラブやん(1) (アフタヌーンKC)

ラブやん(1) (アフタヌーンKC)

なんか、まだ「ラブやん」の方が笑いにしているだけ救われているような気がする。
どちらにしても、社会復帰するためには、大きなお友だちのための職業訓練学校を作る
しかないのかもね。