夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

もっと若い時に読んでいれば、今よりも感動できたかもしれない。
これ京都アニメーションがアニメ化してくれないかなぁ。



主人公はとても真面目な学生で、明治以来のエートスを受け継いでいるように
思える。
これが出版されたのが2006年だそうだが、果たして今の京都大学にも、この
ような学生らしい学生は存在しているのだろうか。


おそらく、21世紀になっても、真面目な学生は一定数おり、リア充たちに馴染めず
悶々としていたに違いない。
彼らの支持を受けたのが本作ではなかろうか。



それにしても、黒髪の乙女は、なんというカマトト女子であろうか。
京都大学に入るぐらいだから頭はいいに違いないと思うが、今どきの女の子なら
もっといろいろ知っているはずである。


もっとも、そういうキャラクターだからこそ、読者のハートをわしづかみできた
のだろう。いわば“童貞を殺す”キャラである。
こういう純情可憐な女の子の設定は、ラノベと薄っすらリンクしている。



万城目学の「鴨川ホルモー」もそうだが、京都市内を描いた最近の小説で面白い
ものは、たいてい京都大学の学生が主人公である。
(作者が京都大学出身だからだろうが)


しかし、京都市には同志社大学立命館大学もあるはずだ。
彼らのような私大の学生の目から見た京都市の小説を読んでみたいのだが、
何かオモチロイものはあるだろうか?