*[本]星間商事株式会社社史編纂室

小さな商社に勤める主人公は左遷されて社史編纂室に飛ばされた。
だが定時に退勤して土日に休めればそれでよかった。
なぜなら彼女は腐女子だったから。


というイントロから、自分の趣味が周りにバレたり、会社の過去に
どうやらきな臭いものを発見したり、同人仲間の一人が結婚したり、
と具だくさんの展開をみせて面白かった。


三浦しをんはBLに一家言ある人らしく、この小説の中には主人公が
書いたBL小説が断片的に載っている。
素人が書いたという設定だが、やはりスラスラ読めてうまい。
もしかして直木賞作家が書いたBL小説がオフィシャルで読めるのは
これだけなのか。いや、他にもあるだろうけど。


ほかの女性作家も、ひそかにBL小説を書いているのだろうか? 
人知れず流通しているのかもしれないし、作者の死後、発見される
のかもしれない。



この小説を読んでいると、今年の4-6月期のアニメで放送された
ヲタクに恋は難しい」を思い出した。
主人公はOLの腐女子という設定は同じだが、こちらの場合はリア充
趣味がたまたまオタクだった、という感じだ。


「星間商事」も主人公に風来坊の彼氏がいて同棲しており、
非モテではないのだが、リアリティは「星間」の方が高い。


が、サリメニという東南アジアの架空の国が重要なファクターに
なっているので、なかなか映像化しにくいと思う。
そこをクリアーすれば面白いアニメなりドラマになるだろう。



あと、どうでもいいことだが「まほろ駅前多田便利軒」シリーズに
舌っ足らずな喋り方をする豊満なボディの女の子が登場している。
この「星間商事」にも、みっこちゃんという最後までフルネームが
明らかにならないナイスバディな女の子が脇役にいるが、三浦しをん
こういうマリリン・モンロー的なキャラクターが好きなのだろうか。


さらにどうでもいいことを言うと、「まほろ駅前」シリーズの主人公は
瑛太だが、鈴木亮平とか大泉洋とかの方がよかったのでは、と思う。
もっとも大泉洋松田龍平だったら「探偵はBARにいる」になってしまうな。