Boaz2014-04-25

年末に古本屋で米澤穂信古典部シリーズの文庫本をまとめて
手に入れたので、ちびちび読んでいた。
ただ、「ふたりの距離の概算」はなかったので新刊で買った。
消費税が上がる前に買っておけばよかった。


原作を読んでから再びアニメ「氷菓」を見ると、なるほどなぁ、
と感心する。
長い間見ていなかったので、忘れていたところもあったし、
ここを省略してここを広げるか、という発見もあった。
まだ半分も見返していないので、至福の時間は続く。



ふたりの距離の概算」はアニメ化していない。
ラソン中に回想しながら、こじれた人間関係の原因を紐解く
話である。
アニメーターにとっては難しい演出になるのではないか。


といっても、京アニ角川書店はあまりうまくいってないらしい
ので、古典部シリーズを再びアニメ化するかどうかは不明だ。
TVシリーズにするには原作が足りないみたいだし、ファンとしては
我慢して待つしかない。



ふと、古典部シリーズの主人公と俺ガイルの主人公の違いは何だろう、と
考えた。


私は未収録の話を読んでいないので、折木奉太郎の中学時代のエピソードを
知らないが、彼の自我は安定していると言っていいのではないだろうか。


一方、比企谷八幡の自我は傷ついているために不安定である。
それを自分で無理やり理屈をつけて安定させているように見える。


共通点は、自ら進んで人間関係を広げようとしないところか。
あと、恋愛から離れようとして逆にエンジンをふかしているような
部分も似ているかもしれない。


腹黒い姉が出てきて物語を引っ掻き回す部分も指摘しておきたい。
それ以上に、人間の嫌な部分は高校生のときからすでに存在して
いるんだ、ということが、読後感に共通してあるところかな。


私が勝手に比較しているので、ほとんど意味がないのだけれど。