米国映画で、老若男女が同じ歌を声を合わせて唄っているシーンをよく見る。
スタンダード・ナンバーというやつだ。
カーペンターズのClose to you とか、ディオンヌ・ワーウィックのバカラック作曲の
いくつか(曲名を思い出せぬ)などは、懐メロとしてたいていの米国人が知っている
のだろう。
(ただ、米国もすでにスタンダードナンバーが継承されなくなっているかもしれない)
日本はどうなんだろう。
昔は歌声喫茶というものがあったけど、そのときの歌を今の20代の子は唄えまい。
カラオケの普及も、趣味の細分化を進めただけのような気がする。
他人が自分の全く知らない歌を唄ってるとき、あなた聞いてますか?
このような世代間の、あるいは同世代での断絶は、修復できないのだろうか?
例えば、サザンオールスターズや松任谷由実には、親子二世代のファンがいるだろう。
そうやって受け継がれていく曲が、やがてスタンダードになっていく可能性はある。
スピッツやミスチルも、そのような存在になっていくかもしれない。
実は、私がこのような希望を持ったのは、最近の国語の教科書を読んだからである。
小学生のとき、光村図書の教科書を使っていた人は、あまんきみこの「白いぼうし」
という作品を憶えているだろうか?
車のいろは空のいろ 白いぼうし (新装版 車のいろは空のいろ)
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タクシーの運転手、松井さんが白いぼうしの中に捕まえていた蝶々を逃がして
しまい、代わりに別のものを入れておく、というストーリーだ。
これ、今の小学4年生の国語の教科書にも載ってるんですね。
塾の子に聞いたら
「このお話、すごく好き」
と言っていた。
私ぐらいのオッサンと、10歳ちょっとの子供の間にも、共通の何かがあるんだなぁ、と
思うと、ちょいと感動したです。
で、こういう希望があるのなら、まだまだ日本も大丈夫かもしれん、と大げさにも
思ったという次第であります。
「伝統」とか「日本文化」と考えると、右や左の旦那様がいろいろ言うかもしれ
ないが、少なくとも親子ぐらい年の離れた人同士でも唄える歌があったらいいな、
というところから保守していけばいいんじゃないかと思うよ。