Boaz2013-04-17

英国のサッチャー元首相の葬儀が行われた、というニュースをテレビで
見た。国葬級の扱いだったらしい。


新聞記事によると、サッチャーが亡くなったとき「魔女が死んだ」という
曲にリクエストが殺到し、放送を自粛するかどうかで揉めたという。
また、少なからぬ人が万歳を叫んだらしい。


サッチャー規制緩和や金融自由化を強行し、英国経済を復活させた面も
あるが、同時に格差を広げた面もある。
もともと階級社会だったが、中間層が相対的に下降したことは否めまい。
ニートという言葉は英国生まれだ。



サッチャーで思い出すのは、ブロウ・モンキーズという英国のバンドである。
1987年に“It doesn't have to be this way”という曲がヒットした。
米国のR&Bを換骨奪胎した、80年代に流行った甘いメロディーの歌で、
来日してミュージックステーションにも出ている。


この曲を作って唄っている Dr.Robert という人は、サッチャーが大嫌い
だった。保守的な言動も経済政策も気に入らなかったのだろう。
アルバムのタイトルに“She Was Only A Grocer's Daughter”(彼女は
たかが雑貨屋の娘だった)とつけた。

懐かしくなって YouTube で画像を漁ってみたら、近年のライブ映像が
あった。
そこには太って高い音が出なくなった Dr.Robert がいた。



ブロウ・モンキーズがヒットしていた当時は、英国経済について何も
分かっておらず、なぜサッチャーが批判されているかも理解できなかった。


日本で例えるなら、片山さつきが日本初の総理大臣になって、新自由主義
政策を強行するようなものだろうか。


もしそんなことになったら、リベラルな若手ミュージシャンが批判して、
ヒット曲が出るだろうか。
もはやポピュラー音楽にそんな力はないように思える。