坊っちゃん

3月19日の読売新聞オンラインニュースに、こんな記事があった。コピペする。

漱石ゆかりの高校、「坊っちゃん」読了生徒4割 (読売新聞)

 夏目漱石が教べんをとり、「坊っちゃん」の舞台になった愛媛県立松山東
(旧制・県尋常中)の1年生のうち、同作を最後まで読んだ生徒は約4割で、
約10年前の約7割を大きく下回っていることが、市民でつくる「松山坊っちゃ
ん会」(頼本冨夫会長)のアンケートでわかった。


 漱石は1895年4月から約1年間、同尋常中で英語を教え、ここでの体験を
もとに「坊っちゃん」を書いた。


 アンケートは今年2月、1年生414人に実施。「全部読んだ」が168人、
「部分的に読んだ」が137人で、「読んでいない」とした109人は「まったく
興味がない」「身近に本がなかった」「読みにくい」などと答えた。

全部読んだ 部分的に読んだ 読んでいない
168人 137人 109人
40.6% 33.1% 26.3%


 同高の旧松山中時代に学び、シンポジウムに出席したコラムニストの天野祐吉
さんは「在学中、漱石は神様みたいな存在で、誰もが読んでいたのだが……」と
嘆き、同高で国語を教えていた頼本会長は「漱石も驚いているのでは。地元の人
が名作を愛し続ける取り組みが必要」と話している。

むしろ、今の子供たちの読書レベルからすると、よく読んでいる方ではなかろうか。
松山東高校は、一応は中予地区トップレベルの進学校ではあるが、全国レベルで
みると、大したことはない公立校である。
それに、漱石にあこがれて入学したわけでもない生徒を責めるのは酷だろう。


松山市は、いつまでも「坊っちゃん」に依存していないで、別の価値を作るべき
ではないかと思う。じゃあ「坂の上の雲」でいこう、とかいう話でもないけど。


そういえば、坊っちゃん文学賞というのがあるが「がんばっていきまっしょい
以来、大ヒットしたものはない。
たぶん、松山は、創造的なものを育む土地ではないからだろう。
だって、坊っちゃんも秋山兄弟も悦ネェも、松山を離れていくではないか。


ここは、外へ出て行った者が老人になって帰ってくる場所なのだ。
才能のある若者は、そういう老人が鬱陶しくてたまらないから、外へ出るしか
ないのだろう。


たとえ「坊っちゃん」を読んでいなくても、ずっと四国を出ることのない生徒より、
外の世界を見ることのできる生徒の方が、よほど素晴らしいと思う。
それに、漱石の小説だったら「それから」や「明暗」の方が面白いしね。
ジジイの言うことに負けるな、東高生!