空間の謎・時間の謎―宇宙の始まりに迫る物理学と哲学 (中公新書)
- 作者: 内井惣七
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/01/01
- メディア: 新書
- 購入: 4人 クリック: 62回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
知的な虚栄心というものがあって、ついつい見栄を張って買ってしまう本というのが
ある。私の場合、思い切ってメルロ=ポンティの「知覚の現象学」を買ったのだが、
2ページと読めなかった。頭悪いからね。
新書というのは、学者が入門用に、ある分野の全体像を分かりやすく説明したり、最新の
研究結果を伝えたりする目的で出版される本だと理解している。
だから、新書を読んで分かったような気になっている私のような人間は、底が浅いと
言うべきで、本当は巻末にある参考文献などへ読み進まなければならない。
まあ、そうなるとアマチュアの学者になってしまうのだが。
で、この「空間の謎・時間の謎」も、知的好奇心で読んでみた。
がんばって2割かな、理解できたのは‥‥_| ̄|○
やっぱり、数学や物理が分かってないと、途中から何を書いてあるのかチンプン
カンプンになる。
入門向けの新書でこのレベルなのだから、宇宙論や時空論というのは、本当に難しい
のだろう。私は門前払いをくらったが、それは理系科目が壊滅的だった私が悪いからだ。
たぶん、大学で理系だった人にとっては、ちょっと面白く読めるかもしれない。
この本の帯に「ライプニッツ恐るべし」とある。
ライプニッツは、ニュートンが設定した絶対空間・絶対時間に対して論争をいどんだ
そうだが、彼の発想は300年経た現在になって、ようやく検証されるべきアイデアだ
ということが分かった、ということだ。
たぶん、人類には時々「分かってる人」というのが出現して、常人には覗けない境地を
見ることができるのだろう。
だから、釈迦やライプニッツも、現代の数学的記述方法さえ理解できたら、最新の宇宙
論を「あー、それ俺が考えてたやつね」と言うに違いない。
ちなみに作者のサイトはこちらである。ネコ好きの人らしい。